不登校の子どもに家庭でできる学習方法を探している親御さんの中には、できればインターネットではなく紙の教材を使った学習方法を探している人もいるでしょう。
理由は、不登校の子供はインターネットに触れ合う時間が長く、そのことによって昼夜逆転の現象に悩まされているご家庭も多いからです。

そこでこの記事では不登校の子供にアナログの学習方法を取り入れるために、通信教材を使った学習方法と家庭教師ではどちらが有効なのか?について紹介していきます。
それぞれ不登校の子供の性格によって効果に差があるので、是非どちらが自分の子供にとって向いているのか参考にしてみてください!
通信教材と家庭教師どっちが向いている?不登校のタイプ別での選び方
通信教材と家庭教師、どちらが自分の子供の性格に向いているのか?を考えていきましょう。
- タイプ1対人が苦手
- タイプ2コミニケーションは大丈夫
- タイプ3こだわりが強い
- タイプ4受験を目指す
タイプ1:引きこもりがちで対人関係が苦手なタイプ
不登校になりたてで家族以外との接触を避けている子供や、引きこもりが長引いている子供には通信教材の方が向いています。
理由は、両者も一人でいる時間を大切にして心を整える方に力を注いだ方が良いからです。
また引きこもりが長期化している子供には、児童心理に詳しい専門機関の援助が必要です。
もしも家庭教師を招くことでコミュニケーションを図ろうと考えている場合は、それが本人の意思によるものではない限りとても危険なことなので避けたほうが良いです。
タイプ2:勉強への意欲が高くコミュニケーション能力もあるタイプ
学校には行っていませんが、復学への意欲があったり、元々コミュニケーション能力が高いタイプの子供には家庭教師の方が向いています。
このようなタイプの子供が学校に行かない理由は2つ。
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- 行きたいけれど行こうとすると体が反応してしまうタイプ
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- 学校に行く意味を見出していないタイプ
どちらも勉強に対する意欲は衰えていないので、信頼できる大人に教えてもらうことで飛躍的に成績を伸ばすチャンスがあります。
また親以外の大人と接点を持つ事で、社会に対する興味も増していくので家庭教師を上手に活用するとよいでしょう。
タイプ3:こだわりが強く、強制されるのを嫌がるタイプ
生活全般にこだわりが強く、自分こだわりのルーティンをこなさないと精神的に安定しないタイプは通信教材の方が向いています。
例えば極度の潔癖症や幻覚や幻聴、また発達障害の子供も自分で学習の計画を立てられる勉強方法の方が精神的に安定するでしょう。
そして通信教材で自習するのと並行して、専門的なカウンセリングを継続的に受けることをオススメします。
タイプ4:勉強の遅れを取り戻すよりも進学校への受験を狙っているタイプ
そもそも勉強する目的が学校に通っている友達に追いつくためではなく、より高度な学習を通して進学校を目指したい人は家庭教師の方が有利です。
もちろん通信教材でも受験対策に適したテキストは用意されていますが、それだけで学校に通わず進学校に合格するのは至難の技です。
マンツーマンで生徒の能力に合わせた指導を受けた方が、集団で学習を行うよりも圧倒的に有利です。
また勉強意外にも家庭教師から将来のこと、受験のこと、私生活のことなど、色々な話を聞くだけでも十分な学びになります。
通信教材を選ぶメリット・デメリット
通信教材を選ぶメリットとデメリットについて具体的に紹介していきましょう。
通信教材は、自分で学習方法を組み立てなくてはいけない難しさはありますがコミニュケーションが苦手な子供におすすめです。
通信教材の三つのメリット
不登校の子供にとっては一番精神的に安定しながら勉強できる方法です。
また自分の苦手な科目だけをピックアップして勉強できるため、得意な教科はそのままで、苦手な教科を伸ばすことができます。
通信教材の種類が増えていて、たくさんの種類から自分に合う教材を選ぶことができます。
最近だとコロナによる休校の影響で、より通信教材の中身が充実しています。
学校で使っている教科書に沿った教材も出ているので、上手に活用すれば学校に通っている生徒と同じぐらいの学力を保つことができます。
通信教材のもう一つの利点は、勉強する場所を選ばないことです。
家の中以外でも図書館やカフェに教材を持ち込んで勉強することができるため、気分転換をしながら学べます。
また外に出る気持ちが強くなれば、自然と生活のメリハリも出てくるでしょう。

通信教材の二つのデメリット
通信教材は誰かの指導を受けながら学習する方法ではないため、自分で頑張れると強い意思がないと成績が上がりません。
目的意識をもって真面目に取り組める生徒であれば良いですが、気分の浮き沈みに比例して勉強もおろそかになってしまうタイプの子供には、教材の無駄遣いになってしまう可能性があります。
学校や塾に通わずに通信教材だけで難関校に合格するのは、あまり現実的ではありません。

もちろん一部には通信教材だけで理解を深められる子供もいますが、今現在自分の学年より進んだ勉強をしている子供ではない限り、誰かの力が必要になるときが来ます。
家庭教師を選ぶメリット・デメリット
家庭教師を選ぶメリットとデメリットについてです。
家庭教師はマンツーマンの指導を受けることで飛躍的な成績アップを望むことができます。

家庭教師の三つのメリット
家庭教師の最大のメリットは、ほぼ間違いなく成績を上げることができます。
そのため不登校ではない子供でも、集団塾から家庭教師にスイッチする人も多いです。
家庭教師は一人一人の生徒に合わせた学習プランを練ってくれるので、信頼して任せれば自ずと弱点も克服されていきます。
また、1人のために分からない点に徹底的に寄り添ってくれるので納得しながら次に進むことができます。
家庭教師は学習に関するプロです。
生徒の思考のクセや性格に合わせた指導方法にも長けています。
親だと喧嘩になってしまうようなことも、家庭教師とであれば良好な関係を築きながら勉強する事ができるでしょう。

不登校の子供にとっては、家庭教師とのふれあいが社会に出るための訓練につながります。
あらかじめ子供の状況を理解してもらうことで、 不登校や引きこもりについて勉強している先生に来てもらうこともできるでしょう。
不登校の子供が家族以外の大人と触れ合うことはとても大切です。
気の合う先生と巡り会えれば学習意欲も高まり、将来の夢や具体的な進路について話題に出す機会も増えていきます。

自分に必要な勉強に集中することができるのも家庭教師のメリットです。
例えば通信教材であれば自分で全ての計画を立てなくてはいけませんし、集団塾も自分でどの講義を受けるかを決めなくてはいけません。
その点家庭教師は、先生のほうからその子に必要な勉強の方法や計画を立ててくれるので、信頼して教わっていけば進学に必要な知識を網羅することができます。
また進路指導も合わせて行なってくれるので、希望の進路に見合った学習方法をアドバイスしてくれます。

家庭教師の二つのデメリット
家庭教師の数だけ個性がありますし、子供との相性がとても重要になっていきます。
合わないな・・・と思う先生をチェンジすることは、実はあまり難しいことではありません。
それよりも気を使うのが、子供も気を許して慣れてしまった先生に対して遠慮してしまうことです。
親としても一番の目的は成績を上げることですから、一向に学力改善が見られない先生にそのまま見てもらうことは本意ではありません。

家庭教師を依頼する時点である程度コミュニケーション能力には心配がない生徒が多いと思いますが、ふとしたことをきっかけに先生との絆が壊れてしまうことがあります。
特に不登校の子供には感受性が強いタイプが多いので、信頼して心を許していたぶん裏切られたと感じてしまうことも多いです。
そしてそれがそのまま、以降の人間関係の構築に影響してしまう危険性が伴います。

それだけ一対一のコミュニケーションは濃密なものです。
家庭教師も会社によって規模も違えばポリシーもそれぞれでしょう。
責任と愛情をもって子供と接してくれる家庭教師を、妥協しないで探すことが大切です。
通信教材と家庭教師の費用を比較
最後に比較するのは、これまでメリット・デメリットで触れてこなかった双方の費用についてです。
結論から申し上げると、圧倒的に費用がかかってくるのが家庭教師です。
通信教材の10倍かかると思っておいても、大げさな数字ではありません。

会社によっては月5,000円程度の費用から学習できる通信教材もたくさんあります。
一方で家庭教師を依頼するとなると、どんなに安い所でも1か月に20,000円はかかります。
さらに先生に来てもらう時間の長さや、教科数によっても費用が膨らんでいきますし、会社によっては先生の交通費を別途支払わなくてはいけないところもあります。

費用をかけるぶんだけの効果が見込めるのは家庭教師の方ですが、子供の気質や経済状況に合わせて熟慮した方が良いでしょう。
まとめ~通信教材と家庭教師のメリット・デメリットや費用を比較した結果
通信教材と家庭教師を、それぞれのメリット・デメリットや費用の面から比較してきました。
単純に費用だけで比較すれば圧倒的に通信教材の方が安く済みますが、家庭教師にはお金をかけるだけのメリットもたくさんあります。
とはいえ不登校の度合や本人の性格によっては、家庭教師を依頼することで精神的負担が重くなってしまうこともあるので、本人の意向をしっかりと確認することが必要です。
さらに通信教材でもオンライン学習のようにタブレットを使った授業を取り入れている会社もあれば、家庭教師でもオンラインの家庭教師も受け付けている会社もあります。
親としてはインターネット以外の学習方法を希望したい気持ちも分かりますが、「親が望むこと」と「子供の意志」は切り離して考えなくてはいけません。
アナログにはアナログの良さがありますが、インターネットでしか味わえない利点についても親がしっかりと勉強していく必要があります。
先入観を取り除いて判断することが大切で、ネットの口コミや先輩不登校ママさんの体験談を参考にしてみるのもよいでしょう。
あくまでも決めるのは子ども自身です。子供の学習能力が着くのは、子供自身が選んだ学習方法を取り入れることに他ありません。
ぜひ「どんな方法だったら勉強しやすいか?」について、子供とじっくり話し合ってみてください。
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