不登校で学習面に不安を感じているご家庭は、家庭内でできる学習方法について色々精査されていると思います。
そこでこの記事では、不登校の子どもにとって流行りのオンライン学習と実際に家に来てもらう家庭教師とではどちらが向いているのか?について紹介します。
不登校の症状別にそれぞれ解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
不登校の症状別・オンライン学習に向いているタイプとは?
まずはオンライン学習に向いている生徒について紹介していきます。

有名講師の講義を動画配信で視聴したり、特定の講師にマンツーマンで指導を受けることができたりと、様々な方法で自宅にいながら勉強を行うことができます。
それではオンライン学習に向いている生徒には、どのような特徴があるのでしょうか?
オンライン学習に向いている生徒その1~決まった時間に行動を起こすことが苦手
不登校の子どもの中には、決まった時間に起きたり定められた時間に誰かと約束することが苦手な人がいます。
「起立性障害」などの診断名がついていて、身体的に午前中に起きることが難しい生徒も含まれます。
このようなタイプの生徒に無理にタイムスケジュールに従わせようとすると、余計に社会復帰が難しくなってしまうことがあるので注意が必要です。
なぜかと言うと、不登校の克服に向けては「成功体験の積み重ね」が大切だからです。
もしも定められた時間に学習することができない日が続くと、子供の中で「無理だった」と自信を喪失してしまう体験ばかりが心に残ってしまいます。
家庭教師など生身の人間との約束が果たせないことが続けばなおさら、誰かとコミュニケーションを取ることに不安を覚えることでしょう。
その点オンライン学習には、決まった時間に勉強しなくてはいけないという決まりがありません。
ほとんどの講義はすでに配信の準備が整っていて、 生徒自身がいつでも好きなタイミングでそれらを視聴することができます。

このように勉強する時間の自由度が高いオンライン学習は、ルーティンが整っていない生徒にとっては大きなメリットになります。
オンライン学習に向いている生徒その2~対面でのコミュニケーションが苦手
不登校で引きこもりがちの子供は、家族以外の人とのコミュニケーションを嫌っている人がいます。
特に不登校になりたての時期に多く、昼夜逆転の生活が続くことで次第にコミュニケーションが億劫になってしまう人も多いです。
またお風呂に入る回数が減ったり、外に出られないため散髪に行く機会がなかったり・・・という理由から、他人との接触を避けようとしている子供もいます。
ただし引きこもりがちの子ども全てが当てはまるわけではありません。
家の中に引きこもりでも家族と居間で過ごす時間が長い子どもは、家庭教師という選択肢も視野に入れることができます。
強くオンライン学習を勧めるのは、引きこもりでも自分の部屋に閉じこもってる時間が長い生徒です。
家族との接点も極力持とうとしないタイプの子供に、いきなり対面での学習を進めてしまうと逆効果になってしまいます。

なので、極度に他者とのコミュニケーションを避けている段階の子供には、一人きりで学習に集中できる環境を整えてあげることから始めてみましょう。
オンライン学習によっては、勉強の進捗状況を親のスマホに知らせてくれるシステムが整ってるところもあります。
それらを上手に活用していくと良いでしょう。
不登校の子がオンライン学習で学ぶメリットとデメリット
自室に閉じこもることが多く、対人関係において特に苦手意識を持っている生徒にはオンライン学習がおすすめです。
そこでこの章では、オンライン学習を選択するメリットとデメリットについてまとめていきましょう。
オンライン学習のメリット
不登校で自室に閉じこもっている子供には、閉じこもるだけの理由があります。
あえて対人関係を遮断することで、自分の心の内側と向き合いながらエネルギーを充電しているのです。
この時期に良かれと思って無理に外の世界に連れ出すことはタブー。
状況が長期化しそうな場合は、専門の知識を持ったプロの職業の人に相談して支援してもらいましょう。
したがって子供が安心して自分の世界に閉じこもったまま勉強できるツールとしては、最高の条件がオンライン学習には整っています。
毎年、オンライン学習が急激に進化を遂げています。
昨今の新型コロナウィルス騒動で、不登校以外の生徒からも多く注目されているので、これからますますオンライン学習に力を入れる会社が増えていくことでしょう。
このように競争が激しくなるほど、学習内容も進化を遂げ充実していきます。
学校の指導要領に沿った学習はもちろん、指導内容に定評がある精鋭の講師陣を集めた授業を視聴することもできます。
また一人一人の生徒の進捗状況に合わせて、効率的に勉強を進められる工夫が豊富です。
一昔前とは想像もつかないような画期的なシステムが整っているので、一度どのような内容なのか体験してみるのも良いかもしれません。
さまざまな学習方法の中で、最も月額の利用料を抑えることができるのもオンライン学習のメリットです。
オンライン学習は、授業を行う場所に支払う家賃・先生の頭数を揃える人件費・先生の移動に伴う交通費などの経費を削減できます。

一般的な塾に通うとなると最低でも月に1万円、家庭教師を依頼すると3万円ほどの出費は覚悟しなくてはなりません。
対してオンライン学習は、1ヶ月2000円程度から選ぶことができる会社もあります。
経済的に少しでも出費を抑えたいと思っている家庭にとっては、オンライン学習はメリットが多い選択肢です。
オンライン学習のデメリット
オンライン学習は、子供自身の自己管理能力が大きく問われる勉強方法です。
目の前に生身の人間がいるわけではないので、やるかやらないかは本人のやる気に委ねられてる部分があります。
不登校の子どもは特に、親がうるさく言わずに本人の意志を尊重しなくてはいけない時期が続くため、せっかくお金を払っても途中で学習が滞ってしまうことも視野に入れておかなくてはいけません。
少しでもこのような事態を防ぐために、あえてマンツーマンの指導を受けることができるオンライン学習を選ぶ方法もありますが、そのことによって不登校の子供に精神的負荷がかかってしまうのであれば意味がありません。
デメリット1は学習習慣についての個人差でしたが、オンライン学習のもう一つのデメリットは、たとえ学習をしたとしても結果が伴わない恐れがあることです。
これはとりあえず講義を主張したり、とりあえず課題をこなすことだけで満足してしまう子供が一定数いるためです。

オンライン学習は誰かお目付け役がいるわけではないので、ただ動画を見ているだけ孤独な学習法です。
当然理解度を確認してくれる人もいません。
そのためなんとなく勉強をこなしただけで、学習したつもりになってしまうことがあります。
当然これでは成績も上がらないため、オンライン学習では意味がないのでは?と思ってしまう親も多いでしょう。
なので自力で学力をあげようという意志が弱い生徒には、オンライン学習以外の学習方法を視野に入れる必要があります。
不登校の症状別・家庭教師に向いているタイプとは?
続いてはオンライン学習よりも家庭教師に向いているタイプの子どもについてです。
家庭教師は先生が自宅に来て教えてくれるので、オンライン学習よりも時間を意識したり身だしなみを整えたりするプレッシャーが子供にかかってきます。
その上で家庭教師に向いている生徒について紹介します。
家庭教師に向いている生徒その1~復学への意欲が高い
不登校でも、本当は学校に行きたい意欲がある子どもには家庭教師が向いています。
学校が嫌いなわけではなく学校に行こうとすると不安になってしまう子供や、学校での問題が解決したら復学できるタイプが当てはまります。
このような子どもはコミュニケーション能力には元々問題がないため、気を許した大人には心を開く傾向があります。

したがって家庭教師の先生と信頼関係を結ぶことができれば、飛躍的に学習能力を上げることが期待できます。
家庭教師に向いている生徒その2~学校に通うことに意味を見出していない
義務教育や集団行動に疑問を持っているタイプの生徒にも家庭教師は人気です。
このタイプは復学への興味がない一方で、自力で学力レベルを上げていくことや、目的意識をもって得意な分野を極めていこうとする子どもが多いのが特徴です。
このような生徒はハイレベルの家庭教師を求めています。
また家族以外の大人に、自分の生き方を認めてもらいたいという欲求も持っています。
このような子供は、自分の選んだ道を尊重してくれる大人から勉強を教わることで、普通の学校に通うより必要な勉強を飛び級レベルで身につけることができます。
不登校の子を家庭教師にお願いするメリットとデメリット
比較的コミュニケーション能力に問題がなく、勉強に対する意欲が高い生徒には家庭教師がおすすめです。
そこで家庭教師のメリットとデメリットについても確認してみましょう。
家庭教師のメリット
マンツーマンの家庭教師は個人のレベルに合わせた指導方法を取り入れているので、色んな学習方法の中でも最も成績が上がりやすい選択肢の一つです。

また生徒の成績がそのまま先生の評価につながるため、教える側も結果を出すことに必死になってくれます。
子どもにも先生の期待に応えたいという気持ちが芽生えるため、相乗効果で学力が向上するようになっています。
不登校の子供にとって親以外の大人と接する機会はとても重要です。
学校の先生とコミュニケーションが取れない中で、家庭教師の先生は子どもと社会とを結ぶ唯一の架け橋になってくれます。
親よりも自分と歳が近い先生であれば、子供もいろんな意味で家庭教師に心を開く場面が増えていくでしょう。
仲良くなるほど、家庭教師から教えてもらう勉強以外のことにも興味を持つようになります。
「自分のことを理解して応援してくれる大人がいる!」と知ることは、子供の社会復帰の後押しになります。
将来の選択肢を増やすきっかけにもなるので、子供の気質に合った先生を選択することが大切です。
家庭教師のデメリット
家庭教師を提供する会社によっては、学生アルバイトだけで運営を行っているところもあります。
当然学生にも自身の勉強や試験、アルバイトや教育実習のスケジュールがあるため、その都度代理の先生がコロコロ入れ替わりで教えに来ることも。
人との距離感の取り方が難しい不登校の子どもにとっては、このことが重荷になってしまうことがあります。

密な関係を築かなくてはいけない家庭教師だからこそ、「ハズレ」の先生に当たらないような家庭教師選びが重要になっていきます。
数ある学習方法の中でも、最もお金がかかると言われているのが家庭教師です。
先生の時間を一人で独占するわけなので当たり前かもしれません。
また先生に来てもらう時間帯によっては、お茶菓子や夕飯の用意などに気を配る場合もあります。
また親御さん自身が「スッピンではまずいかな?」と思ってしまったり、ある程度家の中の掃除をしておく必要も出てきますね。
いろんな面で総合的に出費が多くなってしまうのも、家庭教師のネックになる部分です。
まとめ~タイプ別でオンライン学習と家庭教師を比較した結果
不登校のタイプ別に、オンライン学習と家庭教師どちらを選べば良いか?について紹介してきました。
最後にそれぞれの適正を要約します。
対人関係が苦手・今は学力よりも精神的安定を優先させたい・できるだけ費用を抑えたい・インターネットと向き合うことが好き
コミュニケーション能力が高い・復学への意欲がある・学校よりも自分なりのやり方で将来を決めたい・経済的余裕がある・確実に学力を上げたい
以上が大まかな分類になりますが、

ぜひ親子でしっかりと話し合った上で、子供の意見を一番に尊重して決めるようにしてください。
コメント